ミュージックビデオの画角について
ミュージックビデオのアスペクト比からみる印象の受け方について書いていきたいと思います。
先日、伊藤衆人監督のshowroomでミュージックビデオのアスペクト比について話があったので改めて見直してみました。
あくまでも個人的な印象なので、誤っていたりする場合はご容赦ください。
まず、アスペクト比とは映像における縦と横の比率のことを言います。
人間の視野は横に広いので、横長の映像は一般的に強い印象を与えることができるといわれています。
16:9やシネマスコープ(2.35:1)と呼ばれるアスペクト比のものがミュージックビデオには多いです。
今のテレビやYoutubeなど普段よく見られるものが16:9の画角です(昔のアナログテレビは4:3)。また映画等がシネマスコープ(2.35:1)やアメリカンビスタ(1.85:1)と呼ばれる画角です。
まず直近のシングルのミュージックビデオですが、『しあわせの保護色』は今までのミュージックビデオと比較してもアスペクト比率の大きい横長の画角の映像です。
白石麻衣さんの最後のシングルであり"プロム"のイメージに合わせ今までの活動を振り返るような、非常に美しい印象のフレーミングだと感じました。
『アナスターシャ』は、シネマスコープ(2.35:1)と呼ばれる画角で、こちらも映画のような画角で美しく綺麗な映像だという印象を強く感じます。
逆に『夜明けまで強がらなくてもいい』では、「メンバーの心情模様を画面に濃密に描きたい」という監督の思いから、あえて4:3の画角になっています。
個人的好きなミュージックビデオの『滑走路』『シンクロニシティ』『サヨナラの意味』『裸足でSummer』はいずれも横長の画角でした。
どれがいいという話をしているわけではないのですが、16:9の画角のミュージックビデオに比べるとスタイリッシュな印象があるなあと感じてました。
最後に、卒業するメンバーのソロ曲について考えてみました。
橋本奈々未さんの『ないねだり』は、横に長いフレーミングからはじまり美しさを感じます。
途中の映像では16:9の画角になっている部分もあり、映像の内容と相まって自分自身の記憶を想起させるような身近に感じられる印象を受けました。
また同様に西野七瀬さんの最後のソロ曲となる『つづく』も、シネマスコープに近い比率から始まり、過去の映像ではアスペクト比を変更しています。
これによってミュージックビデオの映像への距離感が縮まったように感じます。
『つづく」と同じ湯浅監督の撮った白石麻衣さんの『じゃあね。』は、アスペクト比が変わらないのですが、これは白石麻衣ちゃんの書いた歌詞をより印象付けるためなのかなとだと感じました。
桜井玲香さんのソロ曲『時々 思い出してください』は映像内のテレビ映像がその役割を果たしているのかなと感じました。
また、一般的にミュージックビデオは帯が黒イメージがありますが、黒ではないミュージックビデオがあります。
『まあいいか?』ではポップなイメージに合うような白に近いグレーの帯になっています。
『空扉』でも曲中で黒色→空色→白色と帯の変っていきます。
見直してみて今まで形容することができなかったミュージックビデオの印象を少し言語化出来たかなと思います。
あらためて、クリエイターの方々のこだわりを実感しました。
インサイドストーリーに想いを馳せるのは楽しいですね。乃木坂46のアートワークの新たな楽しみ方を見つけたような気がします。
あわせて、いつかまた『MdN EXTRA Vol.3 乃木坂46 映像の世界』のような映像に焦点を当てたコンテンツをまた読みたいです。
長々とお読みいただきありがとうございました。
最後に目算なので誤っている部分も多いかと思いますが15枚目シングルから25枚目シングルまでのミュージックビデオのアスペクト比をまとめてみました。
もしよかったらご覧ください。